5人の紹介

話し手:三浦宗一郎 (高卒)
愛知県豊田市出身。豊田学園在学中、ロータリークラブの主催のフィリピンへの植林ツアーをきっかけに海外での活動に興味を持つ。中学卒業後はトヨタ自動車の生産ラインの技術職に従事。18年内閣府青年国際交流「世界青年の船」事業に参加。現在18カ国への渡航経験。

話し手:うるか (不登校)
小学校3年から不登校。中学校では別室登校を選択。

話し手:よしもと はるか(休学者)
熊本県出身。早稲田大学国際教養学部在学中。カナダトロントに短期留学後、ルールとリーダーがなく「お好きにどうぞ」がモットーの「三角エコビレッジ サイハテ」にてゲストハウス管理人を務める。

話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。

ナビゲーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)

高卒、休学者、不登校。一見するとレールから外れるように見える若者たちには、それぞれの哲学や想いや見てきた景色があります。それを世間や既存の意識が、見えない壁がつくっているような感覚があります。その隔たりともいえる、小さな違和感をなくそうと、それぞれの立場で活動する3人に話を伺います。第1回は、大学生はるかさんが休学して別の世界を見てみようと思い立ったきっかけについて。

対談場所は、政治や行政をもっと身近に感じてもらうため、参議院議員会館内を選びました。

勉強するために行ってるのに勉強できない

浅見 直輝:何がキッカケで、どうして休学しようと思ったのか、
何でそう決断したのか。教えて欲しいです。大学だけじゃ学べないこと、って言ってました。休学したことによる良かったところも教えて欲しいです。

はるか:大学は別に悪い場所じゃないと思っていて、上手く使えば人脈とか勉強も学びたいことも学べるんですけど、例えば取りたい授業があるのに人数の関係で落とされてしまったりとか、それで好きな授業が取れなかったりとか。せっかく高いお金払ってるのに、大学行ってる意味ないじゃん、って思います。

木村 よしお:大講堂じゃないんだ。小さい部屋なんで、人数制限されちゃってるんだ。
普通の大きい講堂だったら、単位が取れなくても、授業聞きに行けるじゃない。
ゼミみたいなので、人数が少ないような、そういう感じの授業ってこと?

はるか:そういうのもあるし、大きい授業でも、日中は早稲田だと人数が多すぎて、落とされたりもするんです。

浅見 直輝:5万人いるんですよね。

木村 よしお:その取れなかった授業の単位を埋めるために、違う、おもしろくない授業を、おもしろくない授業を取らなきゃいけないんだ。
マンモス大学にはまたそういう問題点があるんだね。

はるか:で、それでテストを受けなきゃいけないとか苦痛でしかなくて、わがままなんですが、苦痛でしかないし、だからせっかくお金払うんだったら勉強したいって自分が思えるものに行きたくて。

はるか:だったら、行きたくないっていう気持ちで行くよりも、しばらく勉強から離れて、大学から離れて、行きたいって思った時に、ちゃんとお金払って行きたくて。それで、行くまで、勉強したいって思うまで待とう、っていう期間を取るためにも、休学をしてる感じです。

制度を変えられないだろうか

木村 よしお:いま私が考えてる「累積単位制」っていうのだと、まさに取りたい時にその授業だけとっていくという形ができる。例えば、今年は仕事をしながらも2科目ぐらい取ろうかとか思ったとして、1科目ずつ授業2つ取ったら4単位で合計8単位でしょ。合計124単位ぐらいとったら卒業していくんだけど、それをずーっと累積していくわけ。

木村 よしお:例えば10年経って、124単位取れば、はい、そこでディグリー与えますよ、と。
こういう制度が累積単位制っていうんですが、アメリカでは当たり前なんですね。
日本は、4年制だから、4年間で卒業しよう、その中でいかに組み込むかと。
あるいは、上限で、8年間居られますよ、っていう制度、ケチだよね(笑)

木村 よしお:今年はこの2科目を取って、来年はこの好きな3科目を取る、いや今年はまた1科目でいいと。
で、累積してったら、合計124単位になったら、はい、学士さんの称号与えますよ、とかね。
そういう、バラエティに富んだ学び方が必要じゃない。働きながら勉強をし、勉強しながら働くというね。
この提案を、今文部省とやってるんです。