デフサッカー日本代表×木村義雄第4回 聴覚障害と障害者スポーツ
デフリンピック
デフ(ろう者)サッカーの日本代表として世界で活躍する仲井さん。世界共通の手話というのがあるそうですが、それを支える日本人はとても少ないと。対談4回目。
■大会が開催されると決まってから勉強を始めて話せるようになるスタッフ
浅見 直輝:デフサッカーに関しては手話通訳者はデフサッカーの専属としてそこに常駐されていますか。
仲井 健人:去年デフリンピック(聴覚障害者のオリンピック)があったんですね。チーム内での手話通訳は、耳の聞こえる人で手話通訳できる人が帯同する、といった体制がありました。耳の聞こえる人と聞こえない人との間を通訳してくれます。
仲井 健人:大会の運営側側の方では、耳の聞こえる人で手話通訳できる人やスタッフが会場の至る所にいました。開会式だったり試合前のチェック、どこにでもたくさんいました。ボランティアの方が結構おおいそうです。
仲井 健人:でももっと驚いたことは、その中の多くは大会が始まる前は手話をまったく知らなかった、と。大会が開催されると決まってから勉強を始めて、何百人も手話ができるようになったと。しかも、国際手話です。
木村 よしお:国際手話ってのがあるんですか?
仲井 健人:はい。全世界共通手話がありまして、それでコミュニケーション取ることが出来る。
■手話通訳でのコミュニケーション
木村 よしお:それはベースは英語なんですか?
仲井 健人:そうですね。各国の手話もあります。それとは別の、全世界用の国際手話。
木村 よしお:世界用のエスペラント語みたいなやつね。それはすごいな。
浅見 直輝:その世界共通の手話は、日本の聴覚障害持ってる人の何割くらいがそれを話せるの?
仲井 健人:一握りですよ。1%ぐらいじゃないかなあ、イメージですが。
僕も海外の人とは話すんですけども、それはもはや国際手話っていうよりもほぼジェスチャーみたいなもんです。
仲井 健人:デフリンピックでは選手同士が、一対一だけじゃなく、三ヶ国集まってとかしゃべってたりとかします。
木村 よしお:相通ずるものがあるんだろうね。言葉じゃなくて通じるものがあるんじゃないですかね。
浅見 直輝:サッカーのプレイ中の意思疎通、サインとか指示とかは手話でやるの?
仲井 健人:意思疎通は1つ目がアイコンタクト、2つ目がジェスチャー。手話はあるんですけど、やる時間が無いんですね。短い時間の中でコミュニケーションを取る必要があるから。細かい確認の時だけですね。
話し手:仲井健人
デフ(ろう者)サッカーの日本代表。元筑波大学サッカー部。健常者と障害者がともにプレーするサッカークラブ「レプロ東京」所属。
話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。
ナビゲーター・コーディネーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)
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インクルーシブフットボール
スポーツは障害を乗り越える。スポーツは障害を取り払う大きな力になる。