挑戦する20代×木村義雄 第4回 休学、不登校の5つの悩みと希望
通信制高校の現状とその中身。そうしたくてやっているわけではないことの積み重ねが、なんとなくの「虚ろい感」を生んでいるかもしれない。対談第4回目。
登校の必要はないのに登校してしまっていること
浅見 直輝:他にありますか?
うるか:今通ってる通信制の高校は、単位をレポートとスクーリングで取るんで、毎日授業に行かなくてもいいんですけど、その通信制に来てる子っていうのは、もともと不登校だった子とか、高校中退で、来たくないけど来た子っていうのが多くて。
うるか:学校は行かなきゃいけないものっている思いにとらわれて仕方なく行っているっていうところが結構あって、そこに意味を見出してるわけじゃなくて、誰かが学校に行くのは当然っていう押し付けられたイメージを持ってて、自分が行きたいから行くっていう人がすごく多いと思うんです。
うるか:行きたいから、っていうので行けてないっていう。
浅見 直輝:行かなくてもいいっていうのは、誰視点で?
うるか:単位はレポートとスクーリングで取るから、毎日通わなくてもいいのに、
はるか:その場所に行かなくてもいいのに、ってことか。
答えが書いてあるテスト
うるか:私の学校だけかもしれないんですけど、すごい表面上の勉強しかさせてもらえなくて、レポートにも、答えが書いてあるような状態なんです。数学とかでも、途中まで式が解いてあって空欄に数を入れるだけみたいな。
うるか:すごい簡単すぎて自分で頭働かせることもなくて。授業もそれに沿った授業しかしなくて。勉強が苦手な子とか勉強を目的としてない子とかにはいいんですけど、勉強がしたいと思った時に、すごい物足りなさを感じる。
浅見 直輝:通信制高校、これほとんどの学校が同じでして。公立の通信制高校の卒業率が、35.6%で、私立の卒業率が11.7%。
浅見 直輝:で、なんで卒業できないかって言うと、まさに、テストが適当で、なんなら答えを渡されたりするんですよ。答え丸写しするだけとか。だから勉強になってないし、身につかないから問題を出された時に解き方が分からなくて。しかも、分からない時に、サポートしてくれる先生が居ないんですよね。
浅見 直輝:もう学校側としては、入学金が欲しいだけなんじゃないかって思います。とりあえず親御さん達に「卒業すれば一応高校の卒業資格が得られますよ」だけ言ってるんじゃないかって。親御さんも、卒業資格が大事で学力はどうでもいいって人は多くいんじゃないかってすら思ってしまいます。そんな蔑ろな学校が多くて、結局入って卒業もできない。
通信制らしからぬ通信制
木村 よしお:私の地元でね、村上学園ってあるんだけど、通信教育でね。でもほとんどやることは全部全日制と同じ。つまり全部通えってことをやってる。もう授業そのまんま受けさせる。だから通信教育じゃないの、そのまま制服も決めて通わしてるわけ。
はるか:えっ、でも通信なんですか、それ。
三浦 宗一郎:高校の時に、勉強もしながら、就職活動もして、入社と同時に入学みたいな、こともできるってことですよね。
木村 よしお:そう。
三浦 宗一郎:最高っすよね。
木村 よしお:その通り。
5人の紹介
話し手:三浦宗一郎 (高卒)
愛知県豊田市出身。豊田学園在学中、ロータリークラブの主催のフィリピンへの植林ツアーをきっかけに海外での活動に興味を持つ。中学卒業後はトヨタ自動車の生産ラインの技術職に従事。18年内閣府青年国際交流「世界青年の船」事業に参加。現在18カ国への渡航経験。
話し手:うるか (不登校)
小学校3年から不登校。中学校では別室登校を選択。
話し手:よしもと はるか(休学者)
熊本県出身。早稲田大学国際教養学部在学中。カナダトロントに短期留学後、ルールとリーダーがなく「お好きにどうぞ」がモットーの「三角エコビレッジ サイハテ」にてゲストハウス管理人を務める。
話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。
ナビゲーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)