習うより慣れろ

健常者と障害者が一緒になる場が少ない。同じ障害者同士の方と一緒の時間の方が長い。仲井さんは隔たりを課題だと感じているとのことです。

■健常者と障害者が一緒になる場が少ない

浅見 直輝:仲井さんの大学時代のプロジェクトを通して見えてきたものをちょっと話していただけたらなと。

仲井 健人:当事者として一番に感じたのは、健常者と障害者が一緒になる場が少ないなということです。

仲井 健人:聴覚障害の友人たちも、健常者とよく遊ぶかっていうとってあまり聞かないんですね。同じ障害者同士の方と一緒の時間の方が長い。もちろん全員がってわけではないんですけども、同じ障害者同士で固まっていることによって健常者と障害者がお互いに知らない状態が生まれてるんじゃないかと思うんです。

仲井 健人:やっぱり健常者と障害者が一緒に同じ場にいて何かに取り組み理解しようというような場を作ることが必要なんじゃないかと思っていました。

仲井 健人:大運動会をやりまして、耳の聞こえない子供達と健常者の子供達がいっしょにワイワイやる大運動会ですとか、アクセサリーとか手作りのお菓子を販売するマルシェをやったりとか、マジックやパフォーマンスをするショーのようなものをやったり。

木村 よしお:小さい時からお互いの存在に慣れ親しんだらいいですよね。

■年齢が上がると、壁も高くなる

仲井 健人:そうですね。大きくなっていくにつれて障害っていう概念が入ってきて少しずつ距離を置くってことが多いのかなとは思います。

木村 よしお:最初にお互いが壁を作っちゃうのね。健常者も障害者もお互いが壁を作っちゃってる

木村 よしお:私の場合、福祉委員長やってから障害者の方々がしょっちゅう事務所に来られるんですよ。何百人規模の会合やってもいつもいつも車いすの方々がですね、10人前後来られてる。

木村 よしお:それでしょっちゅう見たり会ったり話したりしてると、それがだんだんこう自然になってくるよ。だから、職場でも社会の場でもまさに「回数が必要」っていうかね、「習うより慣れる」ようなそういう社会を作っていった方が早いんじゃないかと思うわけです。

木村 よしお:理屈でもって「障害者の権利を守りましょう」とかいろんなスローガンがあるんだけど、理屈抜きで当たり前になる社会にしていくことが大事だなと

浅見 直輝:健常者障害者っていう区別をどっかで失くしていきたい。そんな言葉が出る方がおかしい、と。

木村 よしお:当たり前の1個人なんだから、あえて我々が言葉を作って分けへだてを作っちゃってる感じがしています。

木村 よしお:誰にだって目に見えないとこでは様々な問題が起こってるわけですよ。心の場合もあるし、頭が痛いとか心臓が悪いとか、みんな様々持ってる。ある意味でハンディング、障害を抱えているわけですよ、表に出して言わないだけで

木村 よしお:私は心臓が悪いですって言って標識作って歩いて行かないでしょ。私は肝臓が悪い人ですっていう名札は貼らない。けど、障害者だけが看板持って歩くのはおかしいですよね。

話し手:仲井健人
デフ(ろう者)サッカーの日本代表。元筑波大学サッカー部。健常者と障害者がともにプレーするサッカークラブ「レプロ東京」所属。

話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。

ナビゲーター・コーディネーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)

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例えば、手話通訳。