デフサッカー日本代表×木村義雄第1回 聴覚障害と障害者スポーツ
デフ(ろう者)サッカー日本代表と対談者の紹介
ろう者サッカー世界選手権、夏季デフリンピック競技大会参加経験もある仲井健人さんにスポーツを通した感じた健常者と障害者のあり方について対談していきます。
対談場所は、JFA公益財団法人日本サッカー協会で行いました。
話し手:仲井健人
デフ(ろう者)サッカーの日本代表。元筑波大学サッカー部。健常者と障害者がともにプレーするサッカークラブ「レプロ東京」所属。
話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。
ナビゲーター・コーディネーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)
■健常者と障害者がサッカーで融合していく場面をつくりたい
仲井 健人:仲井健人と申します。僕は生まれつき耳が聞こえない障害を持っています。
そしてこういうような障害を持って25年生きてきました。
仲井 健人:障害を持っているならではの壁を親とも一緒に乗り越えてきました。具体的に何かといいますと声、発音することが難しいんです。それを親と一緒に二人三脚で毎日練習してきて今このように明瞭に話すことが出来るようになりました。
仲井 健人:そういった1つの壁を乗り越えて小学校に入りました。最初は入った後は友達とうまく遊んでいたんですけども小学校5、6年生になると、耳が聞こえないということで、ちょっと距離を置くようになったりということがありました。そして中学校に入るとそれが少しづつ顕著に酷くなってきました。そういったものを我慢して3年間やっていて、高校では友達に恵まれました。その中でやっぱり健常者と障害者ってどうしてこんなに壁があるんだろうと思いました。
木村 よしお:ありますね、壁が。
仲井 健人:筑波大学では心理学を専攻してたんですけどもそれと同時に自分の障害もっていた障害についても学ぶようになりました。健常者と障害者の壁をなくして、誰もが活躍出来るような社会づくりに貢献したいと思うようになりました。
木村 よしお:すごく立派ですね。
[浅見 直輝:レプロ東京ていうのは何ですか?
仲井 健人:レプロ東京と言うのは2016年に立ち上げました。レプロがスペイン語で絆で繋がるを意味しています。健常者と障害者そういったものに関係なくサッカーを純粋に楽しむ、それを通して感動を与えたい。そういったクラブチームです。
木村 よしお:ミックスでやっているわけですか。
仲井 健人:はい。健常者と障害者がサッカーで融合して、チームとして、ダイバーシティとしてあるべき姿を世の中に発信していきたいんです。
■障害者と健常者の間のフェンスがだんだん下がってきた
木村 よしお:私は12年以上前から障害者政策にずーっと取り組むようになって今日に至っています。障害者政策では自民党においては老舗っていうかベテランです。
木村 よしお:日本における身体障害者は300万人、知的障害者は50万人、精神障害者は350万人、合計700万人いるっていわれてるんです。ところがだいたいどこの先進国も本当は障害者って言われる人達が2割ぐらいいるんですよ。20%。そうすると日本は人口が1億2700万でしょ。本来だとその2割ですから2500万人ぐらい障害者がいる計算になるんですよ。そうするとね、マイナーな存在じゃないんですね。障害者っていう人達も非常にメジャーな存在で、別段障害者だからといって小さくなってる必要もないと思っています。
木村 よしお:私はあまりにも境界線を作る必要ないと思ってるほうですし、どこでも当たり前になってきました。
木村 よしお:障害者と健常者の間の、壁というかフェンスがだんだん下がってきていて、いつでも乗り越えられるようになってきているし、どっちも「普通」であって、なにが障害者なにが健常者なのか。いまに無くなってくるんじゃないかと。
次の対談テーマ:
習うより慣れろ
健常者と障害者が一緒になる場が少ない。
問題は、健常者も障害者もお互いが壁を作ってしまっていること。