通信制高校の現状とその中身。そうしたくてやっているわけではないことの積み重ねが、なんとなくの「虚ろい感」を生んでいるかもしれない。対談第6回目。

選択をするタイミングは流動的でいい

木村 よしお:ドイツってのはマイスター制ってのがあって、義務教育が終わった時点でマイスター制の方に行くか、進学コースと就職コースに行くか分かれる。マイスターになるために職業訓練校みたいなとこに行って、取れる資格たくさん資格取って、就職する。

木村 よしお:一方で進学コースの方は、普通の今の日本と同じような、
日本はオール進学コースみたいな感じなんですよね。だからドイツっていうのはそういう意味では若いうちから、専門、マイスターということで、三浦くんが言うような方向でやってる。

木村 よしお:ただおもしろいことに、この頃はそ明確にコースをはっきりさせるのもどうかっていう話になって、総合教育コースっていって、完全に分かれるんじゃなくてちょっと中間みたいな感じが流行り始めてるんだって。ドイツは今、3つに分かれてきた。

木村 よしお:そういうマイスターコースを、ドイツのモノマネじゃなくて、上手な形で組み入れたいですね。

三浦 宗一郎:韓国にもあるって聞きました。

木村 よしお:韓国は大学受験が一発勝負だよね。ドイツは2つの制度があってそれに流動性を持たせようとしている。韓国みたいに、1回失敗したらもう望み無いよ、っていうのはね、苦しいよね。

選択をするタイミングは流動的でいい

浅見 直輝:話を少し元に戻すと、働き手が減ってく時代。だから、自分の力で働く人が増えてく必要がすごくあるのに、なんとなく大学入ってなんとなく卒業していくのは、おかしい。もっと早いタイミングででも、とにかく社会に試しに出てみる、自分の力で何かしてみる機会が必要なんじゃないか的な感じ?

三浦 宗一郎:ですね。

木村 よしお:私の地元の企業で、高卒のところと大卒両方採る企業がある。高卒で入ってきた方の人の方が、大卒で遊んできたやつよりも、よっぽどよく働いてくれるんだって(笑)。

木村 よしお:高卒の人はむしろ大卒に負けるか、っていう意識があるからやる気がある。なんて言ったって4年間早く仕事に就いてるから即戦力。大卒の人は、4年間中途半端に遊んできた人たちはせっかくの能力を活かしきれてない。

木村 よしお:職業系の専門学校、職業専門学校みたいなのがあるじゃない。表向きは、職業重視の方向性を出しているんだけど、どちらかと言うと、大学学位発行機能が欲しいと彼ら経営陣は言っている。

木村 よしお:大学に行く人が、4年制大学行く人が、55%。専門学校に行く人が22%ぐらい。合計で8割ぐらいが、大学か専門学校に行く。高卒で就職するのは、2割、22%、だから22万人ぐらい。これを、さっき言った累積単位制にして、50万人が働く方へ行くとなると30万人が労働市場に増えるわけだから、日本のGDPがまた上がってくる。

浅見 直輝:熱いですね(笑)。

5人の紹介

話し手:三浦宗一郎 (高卒)
愛知県豊田市出身。豊田学園在学中、ロータリークラブの主催のフィリピンへの植林ツアーをきっかけに海外での活動に興味を持つ。中学卒業後はトヨタ自動車の生産ラインの技術職に従事。18年内閣府青年国際交流「世界青年の船」事業に参加。現在18カ国への渡航経験。

話し手:うるか (不登校)
小学校3年から不登校。中学校では別室登校を選択。

話し手:よしもと はるか(休学者)
熊本県出身。早稲田大学国際教養学部在学中。カナダトロントに短期留学後、ルールとリーダーがなく「お好きにどうぞ」がモットーの「三角エコビレッジ サイハテ」にてゲストハウス管理人を務める。

話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。

ナビゲーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)