児童養護施設出身者たちと対談者の紹介

一般社団法人代表と、3人の児童養護施設出身者たちが施設に入ることになったきっかけと経緯についてお話を聞きました。

話し手:志水柚木(しみずゆづき)
何度も家から出ようとして、17歳でやっと保護してもらえた経験を持つ児童養護施設出身者。プロジェクト「Our Voice Our Japan」第1期ユースリーダー。

話し手:ブローハンさとし(ぶろーはんさとし)
アーティスト。シンガー。義父にライターでお尻を焼かれ、その傷が学校の先生に気づかれて児童養護施設入ることができた。「Our Voice Our Japan」第2期ユースリーダー。

話し手:Rさん
会社員。中学時代から18歳まで施設で生活。一時保護所で大変苦しい思いをした。

話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。

ナビゲーター・コーディネーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)

一般社団法人マスターピースで活動する4人の自己紹介

菊池 真梨香:初めまして。私たちは、最高傑作という意味がある「マスターピース」をキーワードに、「誰でも平等にチャンスが与えられて、最高な人生送る事が出来る」ように活動している一般社団法人マスターピースです。

菊池 真梨香:虐待や親の不在などによって、親と離れて暮らす子ども達が生活する児童養護施設や、里親家庭出身の若者達をサポートするために立ち上げた組織です。

菊池 真梨香:カナダで行われている、子どもたちやマイノリティーの若者たちの声集めてその声を直接政策に反映させるというアドボカシー活動をモデルとした、日本バージョンのプロジェクトを今まで1年間やってきました。

菊池 真梨香:今日は、そのプロジェクトメンバーである3人の若手に、児童擁護分野の当事者としてお連れしました。

菊池 真梨香:「ユース」という言葉ですが、一般的には虐待だとか、親の不在で施設で育った若者たち、いわゆる当事者といわれる人たちのことですが、当事者というと固いので、私たちのプロジェクトではユースと呼んでいます

木村 よしお:宜しくお願い致します。

■保護時には「殺意がないとできない大きさのアザ」があった

Rさん:私は、高校1年生の時に、一時保護所に1週間保護されました。

Rさん:でもその前から、中学校1年生くらいから児童相談所で何回も面談があって、「自分の意志で保護されたいって言えば保護できますよ」っていうふうには言われてたんですけれども、学校生活も変えたくないし、そもそも児童相談所でのカウンセリングでは信頼関係をあんまり築けなくて。

Rさん:決定的な暴力では、お父さんに耳を切られてしまって、それで保護になりました。保護というか友達のおうちに逃げて、その後警察に行きました。そこからもう自分の意志とかじゃなく保護されました。

Rさん:その時に体の痣とかを見られました。「殺意がないとできない大きさの痣」だとかがいっぱいできてて、これはもう保護だっていうことになって。

木村 よしお:すごい状況だね。あとでまた詳しく聞かせてください。

■家から出たいと警察に訴えでていたが施設に入るまで1年かかった

志水 柚木:プロジェクト第1期のユースリーダーを1年間努めまして、これからは、ユースアドバイザーとして1年活動していこうと思っております。[/baloon-orange-right]

志水 柚木:私は17歳まで家庭にいて、18歳終わる誕生日手前くらいにやっと施設に入ることができて、高校3年生の約1年間を都内の児童養護施設で過ごしました。
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菊池 真梨香:その前も何度か保護されたり、家から出たいっていう風に警察などのアプローチしてきたけど、何回も返されてというか。やっと保護されて施設に入れたのが高校3年生の時だったということです。

■おしりをライターで焼かれたやけどを学校の先生が見つけてくれた

ブローハンさとし:僕は、小学5年生から、18歳の自分の誕生日まで施設にいました。その前は、普通の家庭にいたんですけど、新しいお父さんの虐待がひどくて。おしりをライターで焼かれていたんですけど、そのやけどが先生に見つかったのがきっかけでやっと施設に移動できました。

木村 よしお:座りにくくてこう(おしりを椅子から上げてた)やってたの?

ブローハンさとし:多分そうだと思いますね。僕、虐待されたこと絶対言っちゃいけないと思ってたんで。ずーっと黙ってたんですけど、きっとそれが怪しい動きをしてて。

浅見 直輝:たとえムズムズしてたとしても、先生がおしりを見るまでいかなくないですか?

ブローハンさとし:4人くらいに囲まれて、「ああ、いよいよ観念しなきゃ」と思って、その時初めて言ったんだと思います。

次の記事テーマ:

「当事者目線」と「施設目線」とは?

これなら、施設にいるより、家に戻った方がいいんじゃないか、、、
でも、一度施設を出てしまうと、二度目の保護は受け入れてもらえなくて、、、