園田正樹×木村よしお対談 第2回 子育ての問題を解決するための病児保育

園田正樹×木村よしお対談 第2回 子育ての問題を解決するための病児保育

受け入れ先とのマッチングが出来ていない病児保育の不便さを解決するため、現役産婦人科医が起業した。子育て、育児、病児保育の現場の声を届けるこの対話、本シリーズの第2回対談。

話し手:園田正樹(そのだまさき)
現役産婦人科医

話し手:木村よしお(参議院議員)
参議院議員。元厚生労働副大臣。年金、医療など社会保障のエキスパートとして、よりよく暮らせる社会のために活動を続けている。参議院厚生労働委員会委員、参議院行政監視委員会理事、参議院政府開発援助等に関する(ODA)特別委員会理事。

ナビゲーター・コーディネーター:浅見 直輝(最前線で活動し社会を変えていく青年)

病児保育の実態

受け入れ先とのマッチングが出来ていない病児保育の不便さ

浅見直輝:今回のテーマは、病児保育の課題と未来と言う所で。先ほどのトピックでは、これまでどうして産婦人科医で仕事を始めたのかって言う原体験や、そこだけじゃなくてどうして起業を始めて、別の事業を通しても課題を解決しようとしていたのか、そこの過去を対談で語って頂きました。
次のトピックは、じゃぁ実際に今、どう言う事業をしているのか。
“あずかるこちゃん”と言うサービスを作っておられまして、それについてと、そのビジネス、サービスを通して、どう言った課題を解決しようとしてるのかって言う所をお話して頂いて、木村先生の知見、経験をもうバコッとぶつけて頂いて、熱い議論をして頂けたらと。

木村義雄:ありがとうございます。

園田正樹:病児保育の“あずかるこちゃん”と言うサービスを、僕はやっているんですが。一言で言うと、マッチングのサービスになります。はい。
前回、お話させて頂いた、利用率が実は35%ぐらいと低く、かつ、キャンセル率が実は30%ぐらいと非常に高いんですね。なので、そう言った現場の状況を垣間見て、これは1対1の施設と利用者のマッチングではなくて、複数の人間と複数の施設をうまくマッチングする事で、非常に利用率が上がって、キャンセルが起こってもすぐ別の人とマッチできる様な仕組をできればいいんじゃないかなと思って、今考えています。
今、お母さん達、電話予約ですごい使いづらいって困ってた事があったので、基本的にスマートフォンで、LINEかWEBか。お母さん、99%以上、実はLINEを窓口にしてるんですが、そちらから入って頂いて、スマートフォンで「あ、自分が行きたい施設空いてる、空いてない。」って、まずこれが見える化されて。
みんな電話掛けて、空いてるかどうか知るのもすごく億劫になってて。
まず、それが解決するだけで、そのみんな諦めてしまっていた人も、スマートフォンで10秒、20秒で調べられたら、まずは見て、「あ、実は空いてるじゃん。」ポチッと申し込みをしてくれるかなぁと思っていて。
先ほどのマッチングの部分なんですが、1回の予約で実は何施設でも予約できるって言う風に仕組を考えていて。ただし、優先順位をつけるので、ダブルブッキング、トリプルブッキングにはなりませんよと。
具体的に家の近くに、第1希望の所満室で埋まってたとしても、第2希望、ちょっと離れた所でもし空いてれば、そちらに確定。そうすると、お母さんって前日の夜に、「あ、明日ちゃんと預かってくれるとこあるんだな。」って非常に安心できて。で、当日になると、満室で第1希望ですぐ家の近く、あるいは行き慣れた所、ここに行きたいよって所がキャンセルになって空く可能性が結構あって。そうしましたら、
システムの中で第2希望で確定してた所が第1希望にシフトして、ここの第2希望の枠って言うのはキャンセルになるので、別のキャンセル待ちをされていた方がちゃんと使えるよと。
それをシステムが順繰りやってくれるって言うのが、非常にいいかなと思ってます。

浅見直輝:網の目の様に、その機械と求めてる人がちゃんと結びつく様に組んでいるって言う。

園田正樹:そうですね。

園田正樹:それって今まで、現場の保育士さんが電話で受けて、毎日2時間だったり4時間ぐらいそれに対応していて。もう朝は7時から、場合によっては電話対応に来ている施設もありますし、夕方お母さんのお迎えに対して、「今日どうでしたよ。」って時間を取って接したい所を、後ろでずっと電話が鳴ってしまう、そう言った現場をできるだけ解決したいなと言う所で、ほぼ電話が鳴らないって言う。
そう言う世界を目指して。

木村義雄:今、園田さんがやってるそのシステムは、どの地域で今一応使われてるんですか?

園田正樹:ありがとうございます。
ちょっと、好意にさせて頂いてる所から、まずテストをして、一応10月には20施設ぐらい。はい。

木村義雄:うまくじゃぁ、市町村とタイアップして、市区町村とタイアップしてやられてるわけですね。

園田正樹:そうですね。市区町村とはまだちょっと、これから交渉って言う所で。まずは。

浅見直輝:市区町村にある病院とタイアップ。

園田正樹:そうですね。施設と、一緒にやっています。

木村義雄:なんかその、役所のホームページに、こう言うことを支援しようって言う動きがあるって言うのを聞いてるんですが。

園田正樹:そうですね。

木村義雄:そことは・・・。

園田正樹:是非、一緒に。市区町村とむしろやりたいと思っていまして。
なぜかって言うと、これ市区町村の委託事業になっていまして。僕はその1個、2個と一緒にやりましょうって事になっても、区民の方からしたら、7個ある内2個しかこの“あずかるこちゃん”使えないじゃないかってなると、他の所は結局、電話予約をしなきゃいけませんし。
そうであれば、もう区と一緒になって、全部の施設でもう使えますよって言う、住民のサービスになれば非常にいいなと思っています。

木村義雄:ですから、このチャンスに。やっとスタートした所なんで、まだ皆さん迷ってるから、是非それを市区町村にアプローチする様に。私もできるだけまた、そう言うのをお手伝いできたらと思いますね。

園田正樹:ありがとうございます。

木村義雄:市区町村ね、やりたくても何を選んでいいかわからないしね。是非、進めて行って、そのうちにそう言う方々とも一緒になって、より一層システムをグレードアップして行ったらいいんじゃないでしょうかね。

浅見直輝:まさに今、広がってってるみたいな。

木村義雄:今、広がってる最中ですね。

園田正樹:そうですね。まずは、施設の方からちゃんとこれは安心して運用できるねって言う所を、ちゃんと担保してから丁寧にやりたいなぁと思っているので。はい。

木村義雄:他にあなたの様な提案してる人、あんまりいないでしょ?

園田正樹:そうですね。幸いそのマッチングって言うコンセプトでやってるのは、たぶん僕だけで。一応、特許も取れているので。

浅見直輝:特許まで。すごいですね。

木村義雄:すごいですね。

浅見直輝:でも、やっぱりそれは求めてる人がいるからって言う事ですよね。

園田正樹:そうですね。幸い、特許庁に出しに行った時も、特許して頂いた方もまさに自分の子供が病気で
すごく困っていて、この病児保育のこのアイデアであれば、確かに現状すごく困ってる方が使いやすくなって、使える人増えるんじゃないかと言う確信的なって言う事をコメント頂いて。すごい励まされました。

木村義雄:担当官も評価してるんだろうな。

園田正樹:嬉しかったですね。

マッチングにおけるニーズ

木村義雄:今、まだまだ、本当にそう言う所では、全国普及してませんよね。
これを励みに、是非、普及できる様にね、しなきゃいけないし。それはもう、お母さんにとっては1番のいい幸せになれると思いますよ。

浅見直輝:利用されてる方々から、どんな声が上がったりしてるんですか?

園田正樹:そうですね。実は、その1施設目は今、登録の段階まで問題なくやれていて。実は、来週から第1施設目で初めて予約が始まるんですね。この登録の段階でも、お母さん達、マッチングですよって言う所までは説明しなくても、もう「LINEで予約できるんだ。」って言う所で、もうすごい喜んで頂けて。

浅見直輝:確かに。LINEで予約。

園田正樹:そうなんですね。LINEってすごいなと思いながら。
今、1施設目は午後5時までは、ネットで予約なんですけど、夜中はもう全く予約は申し込みできない体制だったので、お母さん達夜でも空いてるかどうかがわかって、予約申し込みができる、それはすごく嬉しいなって言う。はい。声を頂いてます。

木村義雄:じゃぁ、大阪とか堺とかね、北九州でもなんか導入を予定してるって言う様な話も聞いてるんですが、そことはまだ全然あれですか?

園田正樹:そうですね。是非、そう言う色んな市区町村と一緒にやりたいなぁとは思っている所で。
まだあれですね。市区町村レベルでは、話が進んでいるわけでは無いので。
まだサービスが出てないので、市区町村の方もそうですね、はい。

木村義雄:まだ具体的にじゃぁ、本当の小さいのでしかやってないわけ?

園田正樹:そうですね。

浅見直輝:実際、市区町村としてのニーズって言うのもあるんですか?
その利用者さんのニーズと、病院側のニーズって言う所を今、園田さんにお話して頂いたと思うんですけど。

木村義雄:やっぱり保育園って、市区町村が非常に関与して。今、保育園の行政って言うのは市区町村が1番責任を持って、子育ての非常に重要なファクターですから。市区町村が責任を持ってやってるわけですよ。
やっぱり、住民の方がそう言う様なニーズが、たくさん寄せられるんじゃないかと思うんですが。
なかなか応えられないからね。困ってるでしょうね。

園田正樹:ありがとうございます。

現場で見られる抵抗感

木村義雄:後、それで、今度は園側がもちろん、そう言うのに受けて。園の方では病児保育、病後児保育、医療機関の方で対応は、だいぶ進んでるんですか?そう言うのは。

園田正樹:そうですね。現場の方に行くと、本当に人も潤沢にいる施設もまずあったりですね。
そうすると、やっぱりせっかくやっているのに使われないって言う事であったり。実は、病児保育の使う方って、リピーターがすごく多いんですね。やっぱり、1回来ると本当にいい場所だなって事で、何回も使われるんですが、やっぱり最初に行く時には、どうしてもちょっとハードルがありまして。
そこに僕は2つ課題と言うか、価値観の面で抵抗感があるなぁと思っていて。
1つは、その子供が病気の時ぐらい、親は仕事を休んで看るべきだって言う、まず社会通念的な所がまだあるかなぁと思っていて。僕は、前回お話させて頂いた様に、病児保育って非常に明るくて、ポジティブな場所なんですね、実は。
お母さんが夕方迎えに来ると、本当に笑顔で「今日、楽しかったよ。」って言って、お母さんとこに行って。
お母さん1回目の利用だと非常に不安なんですが、その子供の姿を見て、「あ、本当にこの子は安心して1日送れたんだな。」って言う事で、またリピートするって言う状態になってるんですね。
でも、1回も使った事が無い方は、やっぱりそう言う価値観であったり、後はその他の病気の・・他の病気をもらっちゃうんじゃないかであったり。

木村義雄:そうですよね、そこは心配ですよね。

浅見直輝:確かに。

園田正樹:そうなんですよね。ただ、例えばインフルエンザ、水疱瘡の様な感染力の大きなものは、隔離対応の部屋って言うのがちゃんとありまして、もう入口が違ったり、陰圧管理をされたりって言う対応がされてますし。他の部屋も感染症の種類によって、ちゃんと分けますって言うルールでやっていて。
実は、保育園よりも病児保育の方が感染はしづらい。

木村義雄:なるほどね。それはそうですよね。医療機関としては、分けとかないと。

園田正樹:そうなんです。はい。

木村義雄:決してお子さんが、そこ行ったらもう寝たきりとかそう言うわけじゃないんですね。

園田正樹:そうですね。

木村義雄:中にはもう、軽い人達はもう遊ばせておくとかそう言う風な・・・。

園田正樹:おっしゃる通りです。
病状に合わせて、やっぱり1人の保育士さん3人までしか原則子供を見ないので、非常に手厚く、みんなに目が届いて。しっかり休む子は休んで頂いて、そうじゃない子は本当に遊ぶって言う事で、ケアの部分、看護の部分と保育の両方がしっかり提供されている素晴らしい施設だなと。

浅見直輝:今のを伺ってると、その施設としては、サポーターのサポーターの体制はかなり整ってると。
一方で、僕自身がすごく気になるのが、やっぱり園田さんおっしゃってましたけれども、施設はあったとしても、仕事もお母さん達にはあるから、こうなんだろ。子育てに関してと仕事に関しての両立であったりとか、そこで親としてはなかなかこう、「子供は私が看た方がいいんじゃないか。でも、仕事は休んだら同僚に迷惑を掛けるし。」とか。ある意味、そう言った、もっと利用者さんの意識レベルでの課題もあると思うんですね。
その上では、木村先生の1つの仕事の中で、特に医師の働き方改革委員会って言う委員会もされてますので、
ちょっとこれを別トピックとして、次のトピックとして話せればと思うので。

全員:ありがとうございました。

次回は、看護休暇、保育園の入れるだけでは解決しない子育ての問題についてさらに深掘りして語って頂きます。